妊娠するともらえる母子手帳には、赤ちゃんが生まれた後の予防接種について書かれていますね。
予防接種には、必ず受けなければいけないものと任意で受けるものがあり、必ず受けなければいけない定期接種は自治体から補助が出るので赤ちゃんは無料で受けることができます。
赤ちゃんが受けるべき予防接種のスケジュールと、予防接種に副作用はあるのか、あなたの知りたいことにお答えします。
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予防接種について
予防接種について、種類や目的などを説明します。
予防接種とは、感染症の原因となるウイルスや細菌を無毒化して安全なワクチンを作り、その感染症に対する抵抗力(免疫)を作って感染症を予防するというものです。
現在日本では、かかると重い後遺症が残ったり命がおびやかされることがあるような病気に対してワクチンが作られ、赤ちゃんから学童期にかけて予防接種を受けることになっています。
どのワクチンから受ければいいの? スケジュールの立て方
ワクチンの種類と予防接種のスケジュールの立て方について解説します。
定期接種のワクチンには以下のものがあり、接種の時期もおよそ決められています。
ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・四種混合・BCG・麻疹風疹・水痘・日本脳炎・二種混合・子宮頸がん
それぞれに接種できる月齢や年齢が決まっていますが、基本的には時期が来たらすぐ受けましょう。
その理由は、感染症になってからでは遅い、受けるべき予防接種がたくさんあるので間に合わなくなる、時期が過ぎると無料で受けられなくなるなどがあげられます。
赤ちゃんの予防接種は種類も回数も多く、0歳の赤ちゃんは、6~7種類もあるので接種回数は15回以上にもなってしまいます。
また、一つの予防接種を受けると、次の接種を受けるまで一定の期間をあけなくてはいけません。
接種間隔や回数を考えて、効率的・効果的に受けられるように接種順序を工夫したり、複数のワクチンを同時接種するなど計画的に受けるようにしましょうね。
同時接種のメリットは、スケジュールが簡単になり医療機関に行く回数が減るという保護者に対するものよりも、感染症の予防に必要な免疫を早く確実に獲得することができるという子供に対してのメリットの方が大きいです。
それでは、どのようにスケジュールを組むのが良いか、定期接種の一例をあげてみます。
B型肝炎①・ロタウイルス①・ヒブ①・小児用肺炎球菌
※ヒブと小児用肺炎球菌の「髄膜炎ワクチンセット」は同時接種しましょう
B型肝炎②・ロタウイルス②・ヒブ②・小児用肺炎球菌②・四種混合①
初回の4つ同時接種から4週間あけます
ロタウイルス③・ヒブ③・小児用肺炎球菌③・四種混合②
※ロタウイルスワクチンには2回接種と3回接種があります
2回目の5つ同時接種から4週間あけます
四種混合③ → (1週間後)BCG
MR(麻疹風疹混合)①・水痘①・おたふくかぜ①
ヒブ④・小児肺炎球菌④・四種混合④
前回の4つ同時接種から4週間以上あけて接種
水痘②
MR(麻疹風疹混合)②
日本脳炎(3回)
二種混合(DT) 11~12歳
日本脳炎 追加接種(4回目)
子宮頸がん ※女子のみ 小6~高1
定期接種の他に、任意接種のロタウイルスやインフルエンザなどの任意接種を受ける場合は接種間隔をよく考えてスケジュールを立てましょう。
また、あらかじめスケジュールを組んでいたとしても保育園や学校などで特定の感染症が流行しているときは、そのワクチンを優先するようにしてください。
副作用
予防接種によっておこる可能性のある、副作用についてまとめました。
予防接種の目的は、もちろん感染症を防ぐためです。
でも、予防接種が医療行為である以上、副作用・副反応と呼ばれる症状があらわれる可能性もゼロではありません。
ここでは、予防接種で考えられる副作用・副反応について説明します。
赤みが出る
接種後、接種場所が赤くなるのはどのワクチンでも比較的みられる反応です。
特に局所反応が多いワクチンは四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ混合)と言われています。
一般的に治療は必要とせず自然に元に戻りますが、まれにひじを超えて腫れが広がることもあり、この場合は腫れをとる薬などで対応します
発熱
ワクチンは、病原性(毒性)をしっかり弱めたウイルスや細菌を使うので、ほとんどの場合特別な症状は出ませんが、体調によってはその病気の症状が出てしまうことがあります。
代表的なのが麻しん(はしか)で、熱が出るケースが約20%あるという報告もあります。
ただこの場合でも大半は軽い症状で完治するので、本物の病気にかかるよりもだいぶ軽症で済んでいると考えられます。
合併症
おたふくかぜのワクチン接種を受けると、0.05%程度(数千人に1人)の確率で無菌性髄膜炎が起きるケースがあります。
しかし接種を受けないで自然におたふくかぜにかかった場合の無菌性髄膜炎の発症率は約2%(100人に2人)といわれていて、ワクチンを接種した方が、発生する割合ははるかに少ないのです。
このことから、無菌性髄膜炎はおたふくかぜの合併症であり、ワクチンによる副作用とは考えにくいといえます。
なお、ワクチンで起こる無菌性髄膜炎は軽症で済むことが大半のため、短期間の入院か外来治療で済むようです。
まとめ
初めて母子手帳を開いたときは、予防接種の種類や接種回数の多さにあ然とされたのではないでしょうか。
定期接種を決められた月齢・年齢でこなしていくには、計画性が重要なことはおわかりいただけたかと思います。
また、定期接種だけでなく任意接種についても、子供の状態や集団での流行などをみて、必要に応じて取り入れてみてください。
ワクチンに対する理解を深め、感染症を予防・重症化させないためにもぜひ積極的に予防接種を受けてくださいね!
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