2017年2月27日放送の、主治医が見つかる診療所【あなたと家族を守る“脳卒中”の新常識2HSP】でカカオチョコが注目されています。
脳卒中とはどんな病気か、最新の治療法やカカオに含まれる成分を利用した予防法について、詳しくまとめてみました。
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脳卒中はどんな病気?
始めに、脳卒中とはどんな病気か説明します。
脳卒中とは、脳の血管にかかわる病気の総称で、血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」にわけられます。

日本脳卒中協会によると、脳卒中の患者数は現在約150万人と言われ、毎年25万人以上が新たに発症していると推測されており、日本における死因ではがん、心臓病に次ぐ第3位となっています。
現在、全医療費の1割近くが脳卒中の診療に費やされており、2020年には脳卒中患者が300万人を越すとも予想されていることからも、決して他人ごとではない身近な疾病といえるのではないでしょうか。
脳梗塞について
脳梗塞は、日本の脳卒中の患者のうちで7割近くを占めているといわれています。
脳梗塞は、脳の血管が詰まったり狭くなったりして血流が悪くなることで、脳に酸素や栄養が送られなくなるために脳細胞が障害を受ける病気です。
症状や程度は、障害を受けた脳の場所や範囲によって異なります。
脳卒中の原因と、なりやすい人
脳卒中になりやすいのは、高血圧や糖尿病、高コレステロール血症の人だといわれています。
つまり、脳卒中は生活習慣病とのかかわりがとても大きいことがわかりますね。
高血圧や糖尿病、高コレステロール血症などは、乱れた食生活や運動不足、不規則な生活習慣やストレスなどが引き金となって発症します。
お酒やたばこ、塩分の摂りすぎ、高カロリーな食事、運動不足などは生活習慣病の原因となるとともに、脳卒中のリスクを高めます。
また、不整脈の一種である心房細動がある人も脳梗塞になるリスクが高いといわれますが、この場合は心電図で判断が可能です。
脳卒中の最新治療法とは
脳卒中治療において、現在行われている最新の治療法を解説します。
カテーテル治療
カテーテル治療は、脳動脈瘤、その破裂によるくも膜下出血、急性脳動脈閉塞、脳血管狭窄などが対象となります。
カテーテルとは、直径2mm程度の細い管で、主に脚の付け根の大腿動脈から挿入して心臓や脳、血管の病気の検査や治療に用いられます。
頭を切らずに行える手術であることから、身体的負担も少なく入院期間も短いので今度ますます期待が高まる治療法と言えるでしょう。
脳動脈瘤では、できてしまった動脈瘤に血流がまわらないようにふさぐための治療に有効です。
GDCとよばれる離脱型コイルを、カテーテルによって血管内から動脈瘤のある場所まで運び、動脈瘤を塞栓したらそのままおいてくるという治療で、年間およそ1万1千~1万2千件行われています。
また、狭くなった血管を広げる治療にも有効で、バルーンで血管を広げる方法と、ステントと呼ばれる血管を中から支える金属の筒を血管内において血管を広げる方法があります。
後者の頸動脈ステント留置は、年間およそ8千~9千件行われており、動脈瘤の塞栓術と並んで脳血管内治療の主な治療法になっています。
血栓回収療法
マイクロカテーテルを使った血栓回収法という、できてしまった血栓を回収する治療法もあります。
血管内に血栓回収器具を挿入して血栓を回収する治療法で、血栓回収機器としてステントの使用が主流になっています。
ソリテアという現在主流で使われているものは、血管を傷つけないようとても柔らかいステントで、網目のような形状をしています。
ソリテアのほかには、ステント型のトレボ、リバイブなども使われています。
・その他の血栓回収機器
メルシー…らせん状になったワイヤーで血栓を絡めとる
ペナンブラ…柔らかくて太いカテーテルを頭の中まで誘導して血栓を吸い取る
急性脳卒中の場合、カテーテル治療を行えるのは発症から6~8時間以内であること、という条件があります。
また、カテーテル治療のできる専門医がいる病院も限られているため、この治療法が今後さらに普及していくことを期待したいですね。
脳卒中の前兆を知って早期発見
脳卒中には特徴的な前兆があり、治療が早ければ早いほど後遺症が軽く抑えられるので早期発見・早期治療が大切です。
一般的に、次のような症状が脳卒中のサインであるといわれています。
・ろれつが回らない、言葉が出ない、他人の話を理解できない
・立てない、歩けない、ふらふらする
・見え方がおかしくなる、片方の目が見えない、物が二重に見える、視野が欠ける
・激しい頭痛
・意識がなくなる
これらの症状が一つだけ現れたり、複数重なって起こるケースもあります。
本人だけでなく、周りの人が気づくことのできる症状も多いので、自分や家族の異常に気づいたら一刻も早く対処することが必要です。
脳卒中の予防法
脳卒中は発症すれば死にもつながる怖い病気ですが、実は予防が可能な病気でもあるのです。
先にも述べましたが、高血圧、糖尿病、高脂血症、心房細動など生活習慣病などの危険因子を持っている人は、脳卒中のリスクがとても高いので医療機関を受診して治療を継続することが重要です。
今健康だという人も、以下の点に気を付けて脳卒中のリスクを減らしていきましょう。
食生活
脳卒中予防の食生活は「積極的に摂るべきもの」と「減らした方がよいもの」を知ることが大切です。
<積極的に摂るべきもの>
・野菜、果物、海藻…ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、便通を整えてくれます。
また、これらに含まれるカリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排泄する働きを持っているため、血圧上昇を抑えます。
・良質のたんぱく質…脂肪の少ない肉類、魚介類、卵、大豆製品、牛乳・乳製品などは体を作る材料となります。
特に魚に含まれるオメガ3という必須脂肪酸は自分で作ることのできない不飽和脂肪酸で、血液をサラサラにし、動脈硬化や血栓予防に効果的です。
<減らした方がよいもの>
・塩分…食塩の摂りすぎは脳卒中のリスクを高める高血圧の原因となります。
1日摂取目安は男性8g、女性7gといわれています。
・動物性脂肪…血中コレステロールを増やしたリ肥満の原因になるため、肉やバターなどは減らす方がよいでしょう。
・酒(アルコール)…アルコールは動脈硬化の危険因子となります。
また、お酒のおつまみも脂肪や塩分が多くなりがちなので、注意が必要です。
このようなことに気を付けて、なるべく決まった時間に、栄養バランスを考えて、おいしく楽しく食事をすることが病気の予防には効果的です。
生活習慣
運動不足は肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの原因や悪化要因となります。
激しい運動ではなく、ウォーキングやジョギング、自転車や水泳などの有酸素運動を継続して行うのが効果的です。
通勤時一駅分歩くとか、エスカレーターではなく階段を使うなど、できることから始めるといいかも知れません。
他には、喫煙、飲みすぎ、過労、ストレス、睡眠不足も良くありません。
規則正しく、健康的な生活を心がけるだけで、脳卒中および生活習慣病のリスクはぐっと低くなります。
もう一つ注意が必要なのは、急な温度変化です。
ヒートショックという言葉、聞いたことありませんか?
温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することで心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなり、特に暖かいところから低温の環境への変化は、心臓の負担になったり、血圧の急上昇を引き起こしたりして、脳卒中を発症させてしまうことがあります。
生活習慣というと、運動や睡眠などばかりが注目される傾向がありますが、このように些細なことでも健康被害を起こすことがあるので注意が必要ですね。
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★カカオチョコで脳卒中を予防?!
カカオチョコレートには、体に良いとされる成分が豊富に含まれており、脳卒中の予防にも効果があるのではないかと注目されています。
なぜ、「チョコレート」ではなく「カカオチョコレート」かというと、「カカオ」が重要だからです。
カカオチョコレートの成分であるプロシアニディンなどのカカオポリフェノールは、脳卒中を予防するのに効果的と言われています。
カカオポリフェノールには、脳卒中の原因となる動脈硬化を予防する働きがあることが明らかになっています。
動脈硬化の主な原因は、LDLコレステロールが活性酸素の影響を受けて酸化してしまい、それが動脈に悪影響をあたえるために起こるものですが、カカオポリフェノールがそれを抑えてくれるのです。
動脈硬化を予防して血液の流れを良くしてくれるだけでなく、血管もしなやかに保つ作用もあります。
また、カカオポリフェノールの一つエピカテキンには、血圧を下げたりHDLコレステロール(善玉)を増やす働きもあります。
2015年10月19日に放送された「主治医が見つかる診療所」でも、カカオポリフェノールが善玉コレステロールを増やす、と放送していましたね。
カカオを多く含むダークチョコレートと、カカオを含まないホワイトチョコレートを食べ比べた研究でも、ダークチョコレートは血圧を下げ、ホワイトチョコレートは効果がなかったことが報告されていることから、カカオが重要なことがわかります。
ちなみにここで言うダークチョコレートとは、ミルクが入らないか、または少量のみ入った、カカオマスの含有量が70%ほどのチョコレートをさします。
なお、一般的なミルクチョコレートのカカオ含有量は35~40%です。
人気の高カカオチョコレートご紹介!
70%以上の高カカオチョコレートも、スーパーやコンビニなどで買えますよ!

チョコレート効果カカオ 72% / 86% / 95%

おいしいハイカカオ 74%

カレ・ド・ショコラ 70% / 88%

毎日カカオ 70%
基本的に、カカオ含有量が高ければ高いほど、甘くないです。
想像を絶する、甘くなさです。
ただ、カカオの風味はものすごく強く感じられるので、気分転換にはよさそうです。
食べやすいのは、やはり70%台のものかと思います。
愛知学院大学の大澤教授とチョコレートの明治による共同実験では、カカオ72%のチョコレートを毎日25gすれば、血圧が正常になったり善玉コレステロールが増えたという結果が得られたそうです。
高カカオチョコレートは、一般的なミルクチョコレートより脂肪分や糖分が少ないため、この実験でも同時に調査した体重やBMIなどの数字に影響はかなったとのことなので、ダイエット中でも大丈夫そうですね!
チョコレートが苦手な人は
チョコレートが苦手な人でも、カカオポリフェノールを摂取できる方法があります。
それは、カカオポリフェノールのサプリメント。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、海外では動脈硬化予防、リラックス効果、抗酸化作用、抗菌作用などカカオポリフェノールの働きに注目したサプリが人気です。
カカオに含まれるキサンチン誘導体であるテオブロミンには、気分を高める作用と穏やかな利尿作用と、心臓の働きを高める作用があり、健康的な内皮や血液循環、心血管機能の健康をサポートする目的で飲まれたりしているようです。
脳卒中予防10か条
日本脳卒中協会の提唱する「脳卒中予防10か条」です。
2 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
3 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
4 予防には たばこを止める 意志を持て
5 アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
6 高すぎる コレステロールも 見逃すな
7 お食事の 塩分・脂肪 控えめに
8 体力に 合った運動 続けよう
9 万病の 引き金になる 太りすぎ
10 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
脳卒中は誰にでも起こりうること、と日頃から予防に対する意識を持っておくことが大切なんですね。
脳卒中まとめ
脳卒中は、とても身近で怖い病気、と同時に予防と早期発見が可能な病気でもあります。
正しい知識をもって生活習慣や食生活を正すことは、脳卒中だけでなくあらゆる病気のリスクを低くします。
健康のありがたさは、健康な時には気付かないもの。
さっそくできることから始めてみませんか。
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