2017年6月18日21時から放送のNHKスペシャル「睡眠負債が危ない~“ちょっと寝不足”が命を縮める~」では、睡眠不足が様々な病気を引き起こすとして、生放送で予防や改善の秘策を解説します。
そこで当サイト マミィでは、睡眠不足が健康にもたらす弊害や、良質な眠りについて、独自に調べてみたことをまとめていきます。
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睡眠負債とは?
番組でのキーワード、睡眠負債とはどういう現象かを詳しく解説します。
睡眠負債とは、いつの間にか膨れ上がっている借金のように、自分でも意識しない程度のほんのわずかな睡眠不足が積み重なっていく状態を指す言葉です。
睡眠負債は放っておくと、命にかかわるがんなどの病気や認知症のリスクを高め、毎日の生活の質を著しく低下させてしまいます。
よく「平日は睡眠不足だから、土日に寝だめする」という人がいますが、実は睡眠は貯金できません。
たくさん寝ると逆にだるさを感じたり、夜眠れなくなって再び睡眠不足に陥ったりしてしまいます。
睡眠は、貯金はできないのに借金だけはできてしまうという、とても厄介なものなのです。
睡眠不足による健康に対する悪影響
睡眠不足の状態が続くと、脳や体に次のような悪影響が出ることがわかっています。
- 免疫機能の低下
- 糖尿病
- がん
- 肥満
- うつ
- 認知症
睡眠不足は、脳の前頭前野や大脳辺縁系という感情や思考、記憶をつかさどる部分の活動を低下させ、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を活性化させてしまいます。
血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きが低下し、糖尿病リスクが高まります。
アルツハイマー型認知症の原因物質、アミロイドβを蓄積させてしまうこともわかっています。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは新陳代謝を高めたり脳の神経細胞を修復したりする働きがありますが、睡眠不足で成長ホルモンが十分に分泌されないと、見た目の老化や記憶力の低下などを引き起こします。
睡眠と高血糖、睡眠と認知症については別ページにて詳しく解説しているのでそちらもご参照ください。
関連記事:ガッテンで特集されたデルタパワーとは?オレキシンや睡眠薬など
関連記事:認知症予防は脳のゴミ【アミロイドβ 】排出が大切?
むずむず脚症候群に注意
むずむず脚症候群は、寝入りばなに脚がムズ痒く感じてじっとしていられない症状で、入眠障害につながることから不眠の原因となってしまいます。
寝ている間中足をもぞもぞ動かしていたり、脚がピクッピクッと動いたりしますが無自覚の場合もあり、本人も知らないまま睡眠不足に陥っている可能性があるといいます。
予防のためには、お酒やたばこを控える、カフェイン摂取に気を付ける、あとは鉄分を摂ることなどで解消できるといいます。
関連記事:むずむず脚症候群の症状とは?子供と大人との違いや鉄分強化などの対処法
十分な睡眠時間ってどのくらい?
では、一体どのくらいの時間眠れば、睡眠不足が解消されるのでしょうか。
一般的に、人が覚醒した状態で何か作業をすることができる時間は、12~13時間だといわれています。
睡眠不足状態と飲酒時の状態は、判断力や思考力において極めて似ているのだそうです。
たとえば、連続して15時間以上起きている状態は「酒気帯び」、17時間だと血中アルコール濃度0.05%と同程度、24時間では0.1%と同程度となります。
徹夜の作業や長時間労働が、いかに非効率かわかりますよね。
そこで、何時間眠れば「睡眠不足」ではないのかということですが、睡眠評価研究機構代表・白川修一郎先生によると、次の2点に気を付けることが大切だといいます。
- 最適な睡眠時間は7時間
- 起床時間、就寝時間を一定(規則的)にする
7時間まとめて眠れないときは、10~20分の昼寝などで補ってもよいですが、できれば夜まとめて寝る方が望ましいようです。
起床時間や就寝時間を規則的にすることは、体がそのリズムを覚え、昼間にきちんと覚醒して夜に熟睡するというサイクルを作ります。
また、毎日同じ時間に寝ることで、成長ホルモンやメラトニンの分泌も正常になります。
これらのことを踏まえて、快適な睡眠のために気をつけたいことを紹介します。
快適な睡眠のために
熟睡するためには、次のようなことに気を付けてください。
- 朝目覚めたら太陽の光を浴びる
- 朝晩の食事はなるべく決まった時間に摂る
- 寝る前のお風呂はぬるめに
- 寝る直前にパソコンやスマホは見ない
- 酒やカフェインを控える
こうした日々のちょっとした心がけで、睡眠の質は高まります。
どれも明日から実践できることばかりなので、さっそく始めてみてはいかがでしょうか。
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睡眠に効果的な食べ物
良質な睡眠に効果的な食べ物をご紹介します。
はじめに、質の良い睡眠に効果的といわれる栄養素にL-トリプトファン、セロトニン、メラトニン、テアニンなどがあります。
メラトニンは、トリプトファンからセロトニンを経て体内生成される物質で、睡眠ホルモンとも呼ばれる眠りと大変かかわりの深い物質です。
メラトニンは副交感神経に働きかけ、脈拍や体温血圧といったバイタルサインを低下させ、脳と体を眠りの状態に導きます。
メラトニンは、トマトやケールなどに割と多く含まれていますが、それでも睡眠に効果的といわれる30mgのメラトニンを摂取するためにはケールなら約70㎏も食べなくてはなりません(*_*)
また、テアニンはお茶のうまみ成分で、就寝前200mgのテアニン摂取で睡眠を安定させるという研究もありますが、お茶をたくさん飲むとカフェインの覚醒作用の方が強いので効果がないということです。
ただ、これらの栄養素をサプリで摂ることによっても同等の効果を得られるという報告もあるようなので、興味のある方はこちらの別記事もぜひご覧ください。
関連記事:不眠解消で質の良い睡眠を実現するサプリ、ネムリスの詳細!
食べ物で改善しようとした場合には、少量ずつでも長い時間をかけてこれらの栄養素を体に入れていき、少しずつ改善していこうというのが現実的な方法だといえます。
よく、「ホットミルクを寝る前に飲むとぐっすり眠れる」といいますが、これにはワケがあるんです。
それは、牛乳にはL-トリプトファンが多く含まれるからなんです。
また、牛乳は良質なたんぱく質も豊富なので、寝ている間に分泌される成長ホルモンが働くためにも役立ちます。
朝1杯の牛乳で腸に刺激を与え便通を改善し、夜1杯の牛乳で安眠につく、という方法は、健康のためにやってみる価値はあるかもしれません。
睡眠負債 まとめ
日中眠気も感じず、自分では「十分眠ってる」と思っていても、実は隠れ睡眠負債だったなんていう人は珍しくありません。
たとえ睡眠時間が十分でも、眠りが浅かったり夜中に何度も目覚めてしまうようならば、それも実は睡眠不足なんです。
睡眠は、質が大切です。
質の良い睡眠を得るために今日から実践できること、ぜひやってみてください!
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