りんご病(伝染性紅斑)とは、ほっぺたがリンゴのように赤くなる症状からその名がついた、ウイルス性感染症です。
子供に多いりんご病の症状や対処法、予防などについてご紹介していきます。
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りんご病とは
りんご病は、ヒトパルボウイルスB19によるウイルス性感染症です。
季節問わずかかる可能性がありますが、春~初夏にかけて患者が増える傾向にあるといわれています。
感染症サーベランスによれば、最近の全国流行は約5年周期だそうです。
5歳~14歳に多く、5~9歳の幼児から学童期がピークです。
まれですが、大人がかかることもあります。
ウイルス保有者からの飛沫感染で感染しますが、この時に目に見える症状は出ていないため、うつす方もうつされる方も気づかないことが多いです。
りんご病の症状
りんご病は第1期、第2期、第3期とからなり、時期により症状の現れ方が異なります。
第1期
頬を中心に顔中に紅斑状丘疹(発疹)が多数出現します。
口まわりにはみられません。
1~4日で急速に消えます。
第2期
顔面より1~2日おくれて肩から腕、太ももに対称的に痒みを伴う小豆大~爪甲大の赤い斑点が出現します。
最初は赤い発疹ですが、時間がたつとまだらのレースのような網模様になります。
この発疹は数日~1週間で消えます。
第3期
発疹が消えた後も、1週間~1カ月の間は日光、寒冷、入浴、外傷、情緒ストレス、摩擦などの刺激で再出現します。
目に見えて症状が確認できる第1期の頬が赤くなった状態は、すでに感染力はなくなっています。
潜伏期間は7~25日と比較的長く、一番伝染しやすいのは感染後7~12日ごろといわれています。
この頃、発熱、筋肉痛、倦怠感、腰や膝の関節痛がみられることがあります。
頬の発疹は感染後17~18日頃に出現します。
妊娠中の感染には要注意
妊婦が感染すると、胎児の貧血とそれに伴う子宮内発育遅滞や胎児水腫が認められることがあります。
感染したのに症状が出ない場合(不顕性感染)もあるので、家族に感染者が出たら必ず産婦人科で相談しましょう。
りんご病にかかった時の対処法
りんご病にかかってしまった時の対処法です。
症状のところでも述べましたが、頬に赤みが確認できた時にはすでに移る時期を過ぎています。
ほとんどの小児科では自然治癒で対処しますが、かゆみが強い時には抗ヒスタミン薬で対処します。
食事はいつも通りで大丈夫だし、入浴もして構いません。
ただ、熱いお風呂は痒みが増すので避けた方がよいでしょう。
また、運動で体温が上がったり、日光に長く当たったりすると赤みが長引いてしまうことがあります。
合併症について
一般的にりんご病による合併症はほとんどないとされています。
ですがごくまれに、関節炎、血管性紫斑病、脳炎、脳症、心筋炎などの報告例があるようです。
先天性の溶血性貧血の子がかかると貧血が急激に悪化します。
また、免疫不全状態の子がかかると重症化してしまうので注意が必要です。
りんご病の予防法
りんご病の予防についてです。
りんご病はウイルス感染症ですが、予防接種のワクチンはありません。
また、症状が現れたときには人にうつす時期を過ぎてしまっているので、学校などの出席停止措置もありません。
なので積極的に推奨できる予防法は、実はないのです。
他のウイルス性感染症と同じように、日頃からの手洗い・うがいでウイルスを体の中に侵入させないように気を付けることが、りんご病の予防になります。
りんご病のまとめ
りんご病にかかって一番感染力が強い時期に風邪のような症状がみられる人もいますが、逆に全く何の症状もないことも多いので、知らない間にかかってしまうのがこの病気の厄介なところです。
だから保育園や学校などの集団で流行してしまうんですね。
発疹が出るころにはウイルスの力も弱くなっているので、気づいたときにはどうすることもできず、時間がたって自然に治るのを待つしかないのももどかしいところですね。
日頃から手洗い、うがいを習慣にして病原体を体に入れないこと、免疫力を高めてウイルスに負けない体を作ることが大切です。
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