ガッテン!骨・筋肉にビタミンDパワー魚と紫外線を上手に活用

ガッテン ビタミンD

2017年6月7日ガッテン!は『緊急報告!日本人の体に異変?骨・筋肉のパワーがよみがえるSP』です。

国民の半数が欠乏しているといわれる骨や筋肉に欠かせない「ビタミンD」を大特集し、上手に摂取するためのコツを紹介します。

スポンサーリンク

ビタミンDについて

まずビタミンDについて、その働きを説明します。

ビタミンDとは、植物に存在するエルゴステロールから生成されるビタミンD2と、動物に存在する7-デヒドロコレステロール から生成されるビタミンD3のことです。

私たちは食べ物からの摂取と、紫外線による生体内での合成で補給しており、体内ではカルシウムやリンなどのミネラルの代謝、恒常性の維持、骨の代謝に関わっています。

 

最近では栄養機能食品としても注目されており、「ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。」などの文言のついた機能性食品も多く目にしますね。

骨の形成にはカルシトニンやPTHという副甲状腺ホルモンがかかわっていますが、ビタミンDにもこれらのホルモンに近い働きがあり、カルシウム代謝を調整します。

 

また、免疫にかかわるマクロファージ系の細胞の分化・誘導に関係しているので、体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退する役割もあります。

ビタミンD投与でインフルエンザ感染を予防することも報告されています

 

ビタミンDの最大の特徴として、ホルモンと同じように細胞内の核に直接作用する力をもっていることです。

こうした性質から、近年ではがん予防や認知症予防、うつ病予防にもビタミンDが関与しているのではないかという研究もさかんに行われているようです。

このように、ビタミンDは丈夫な骨や筋肉を作るだけでなく、神経の伝達、脳の機能維持にもかかわる全身の様々な機能を支えるビタミンだということがわかりますね

 

さらに、アンチエイジングに効果がある栄養素としても注目されており、効果が期待されている栄養素でもあります。

動脈硬化治療、骨粗鬆症予防、治療、ガン予防、認知症予防など内科的アンチエイジング治療を行う日本初のアンチエイジング専門クリニック院長、満尾 正先生も、ビタミンDの効能についてご自身のブログでたくさん紹介されています。

ビタミンD欠乏は美白ブームが原因?!

ビタミンDは紫外線を浴びることによって自分で生成することができますが、1980年代から始まった美白ブームによって人々が紫外線を避けるようになったことが、慢性的な日本のビタミンD欠乏を招いた原因ではないかと言われています

1980年代にオゾン層破壊が問題視され、紫外線は皮膚がんを引き起こす有害な物として広まると、多くの人は極力紫外線を避けるようになりました。

その結果、これまで食べ物からの摂取で足りなかったビタミンDは自分で作れていたのに、紫外線を浴びなくなって作れなくなったため、欠乏症が深刻化したとの見方があります。

ビタミンD欠乏で何が起こる!?

血中のビタミンD濃度は30~60ng/mlがベストだといいますが、ビタミンDが欠乏すると、どうなってしまうのでしょうか。

ビタミンD不足による病気や症状として、骨の成長障害による「くる病」や手足がしびれる「テタニー症状」、骨中ミネラルが減少して骨に痛みを感じるようになる「骨軟化症」などがあげられます。

また、ビタミンD不足が発がんリスクを高めるのではないかという研究もおこなわれているようですが、まだ研究段階とのことです。

ビタミンDを豊富に含む食べ物

ビタミンDを効率的に摂取するためには、ビタミンDが豊富に含まれた食べ物を摂るのがよいでしょう。

・魚類

特に鮭には、ビタミンDが豊富に含まれています。

他にもまぐろやサバなど、脂の多い魚がよいでしょう。

・きのこ類

キノコ類、とくにきくらげはビタミンDが豊富です。

食べ物だけでビタミンDを摂取することは難しいので、アメリカでは牛乳に1クォート(0.946リットル)当たり400 IUのビタミンDが添加されています。

・牛レバー、チーズ、卵黄など動物性食品

レバーやチーズ、卵黄はなどの動物性食品はビタミンDを豊富に含む食材として知られています。

 

日本でも、最近はビタミンDの栄養機能食品がたくさん出ています。

こうした食品を活用したり、サプリで補ったりしてビタミンD不足を解消しましょう。

スポンサーリンク

紫外線によるビタミンD自家生成

ビタミンDは、紫外線UV-Bを浴びることで自分の体内で生成することができます。

人が1日に必要なビタミンDのうち、食事からの摂取量は2割にも満たず、8割以上が日光を浴びることによってつくられるといいます。

皮膚で作られたビタミンDは、ビタミンDの運び役(ビタミンD結合タンパク質)によってすぐに運ばれるため、消化管から吸収される食べ物のビタミンDより素早く利用されるというメリットがあります。

 

問題は、ビタミンDを生成する紫外線UV-Bが、日焼けを起こす紫外線の波長と同じなことです。

だから、普段SPF30の日焼け止めをしている人は、皮下でのビタミンD産生は5%以下に落ちてしまっています。

とはいえ、長時間日焼け止めなしで紫外線を浴びることは、ビタミンD生成のメリットよりも紫外線ダメージ(皮膚がん、しみ、シワなど)によるデメリットの方が深刻になってしまいます。

環境省の『紫外線環境マニュアル2015』によると、400単位(10μg)のビタミンDを産生するのに必要な時間は、

標準的な日本人(スキンタイプⅢ)が、皮膚の25%(概ね、両腕と顔に相当)を日焼け止めをせずに露出して、東京都心で8月1日の昼ごろ、雲が少しある晴れた日に外出するとして3分間。同様に1月1日の昼ごろに12%(顔と手程度に相当)を露出して外出すると約50分などと計算されます。

としています。

特筆すべきは、あくまで日光浴を進めるのではなく、ビタミンDのサプリも推奨していることでしょう。

紫外線によるメリットとデメリットをよく知った上で、ビタミンDの補給についてそれぞれがよく考えていくことが大切です。

ビタミンD過剰摂取による害

不足してはいけないビタミンDですが、過剰摂取にも弊害があるようです。

過剰摂取した時の症状として、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、脱力感、体重減少などがあげられます

過剰のビタミンDは血中カルシウム濃度を上昇させ過ぎてしまい、錯乱や見当識障害、心拍リズム異常を発生させたり、腎臓に負担をかけてしまいます。

ビタミンDの摂取上限は、幼児で1日当たり1,000~1,500 IU、1~8歳の小児で2,500~3,000 IU、9歳以上の小児から成人にかけては4,000 IUとされています。

普通に食事をしている分には過剰摂取になることはまずないと考えられますが、サプリメントを摂るときには食事のバランスなども考えて気を付けるようにしましょう。

ビタミンDサプリと薬との飲み合わせ

ビタミンDをサプリメントで摂る場合、特定の薬や別のサプリと相互作用や反応が起こるものがあります。

・プレドニゾンやその他炎症抑制効果のある副腎皮質ステロイド剤

ビタミンDの処理作用を弱め、カルシウムの吸収低下、骨量減少

 

・オルリスタット(肥満治療薬)コレスチラミン(コレステロール低下薬)

ビタミンDなど脂溶性ビタミンの吸収低下

 

・フェノバルビタール、フェニトイン(てんかん発作の予防や抑制薬)

ビタミンDを分解、カルシウム吸収低下

 

このほかにも服用している薬や飲んでいるサプリがある場合には、念のため薬剤師やメーカーにビタミンDとの飲み合わせを相談するとベストだと思います。

ガッテン ビタミンD まとめ

今回はビタミンDについて、欠乏だけでなく過剰摂取した場合についても紹介しました。

また、政府も勧めるビタミンDのサプリメントについても、過剰摂取や飲み合わせに注意が必要な場合もあるので、とり入れる時には慎重な判断が必要です。

ビタミンDの、認知機能向上や足腰を強化する効果については別ページにも紹介していますので、そちらも参考にしてください。

関連記事:ビタミンDで老化ストップ!認知症予防&足腰強化の最強食材とは

スポンサーリンク