朝起きたら子供の目に目やにがびっしり、「目が開かない」なんて言われた経験はありませんか。
正常な目やには古くなった細胞など目の老廃物なので心配ありませんが、緑や黄緑のドロッとした目やには目の炎症のサインである可能性もあります。
子供の目やにについて、どういった場合に病院へ連れて行った方がいいのか、その見分け方などをお伝えします。
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目やにとは

初めに、メヤニとはなにかについて解説します。
朝起きたときに目じりや目頭に少量つく程度の白っぽいめやには正式には「眼脂(がんし)」といい、皮膚の垢のような生理的な分泌物で、目のゴミをくるんで外に出す働きがあり、代謝により角膜・結膜から脱落した古い細胞などが含まれます。
ところが、目やにの形状が次のような場合には、別の原因が考えられるので注意が必要です。
1.黄緑色でドロっとした膿状の目やに
細菌による感染の可能性があります。
2.涙のようにサラサラした水状の目やに
花粉症などのアレルギーが原因の可能性があります。
3.白くネバネバと糸を引いたような目やに
ウイルスによる感染の可能性があります。
異常な目やにが出るのは、細菌やウイルスなどの異物が目に侵入したときの免疫反応の1つです。
このような時の目やにには、細菌やウイルス、細菌と闘った白血球などが含まれます。
病気が原因の目やにとは

次に、目やにが病気のサインである場合、どんな病気が考えられるかあげてみます。
細菌性結膜炎
感染性の結膜炎は子供や高齢者にみられ、新生児ではクラミジア、淋菌、乳幼児はインフルエンザ菌、学童期では肺炎球菌、ブドウ球菌による感染が多いです。
細菌性結膜炎の特徴は、充血と黄色っぽい目やにです。
乳幼児の場合は、風邪をひいて鼻が詰まった時に併発しやすいです。
関連記事:子供の鼻水が治らない原因は病気?症状からみる対処法
生後6カ月までは母体からの免疫が残っているので感染例はあまりありませんが、生後6ヶ月から2歳までの時期は母乳や母体からの免疫効果は切れてしまうため、かかりやすくなります。
<対処法>
眼科を受診し、抗生物質の点眼薬で治療します。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎には、アデノウイルスが原因になっている流行性角結膜炎や咽頭結膜熱、エンテロウイルスが原因になっている急性出血性結膜炎があります。
保育園や学校などで集団感染する「はやり目」は、流行性結膜炎です。
同じアデノウイルスによる咽頭結膜熱と呼ばれる通称「プール熱」はのどの痛み、発熱、下痢などの全身症状を伴いやすい特徴があります。
潜伏期間は、アデノウイルスでは約1週間、エンテロウイルスでは約1日です。
症状は、急激に起こる充血、眼が開かないほどの多量の目やに、涙、目を動かすと疼痛を感じることで、かゆみはほとんどないのが特徴です。
<対処法>
ウイルスに有効とされる薬はないので、栄養補給と十分な休息が治癒への近道です。
他の感染を防ぐための抗菌点眼や、炎症を押さえるため低濃度のステロイド点眼が処方されることもあります。
非常に感染力が高いので
・手洗いをしっかりする
・シャワーのみにするか、湯船には最後に入る
など、感染させないように気を付ける必要があります。
また、流行性結膜炎は学校保健安全法で第3種に指定されており、医師が感染の恐れがないと判断するまで保育園や幼稚園、学校へは出席停止となります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎には、季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎があります。
季節性アレルギー性結膜炎は花粉症など、通年性アレルギー性結膜炎はハウスダストなどが原因となります。
症状の特徴は強い目のかゆみですが、目をこすっていると次第に痛みが加わってきます。
さらに目の充血やまぶたの腫れ、結膜に偽膜(ぎまく)とよばれるゼリー状の目やにがみられるようになります。
<対処法>
抗アレルギー点眼薬の処方で症状を抑えます。
アレルギーなので、体の免疫力を高めることも有効なので、食事や生活習慣の改善なども取り入れるとよいでしょう。
春季カタル
春季カタルはアレルギー性結膜炎の慢性重症型で、10歳くらいまでの男児に多く見られる病気です。
そのうち90%以上がダニ過敏症であるといわれています。
症状は、かゆみと目やにです。
他に、上まぶたの裏側に石垣をならべたようなぶつぶつがでる、黒目(角膜)と白目(結膜)の境が赤く腫れるなどがみられます。
瞼にこすられて黒目の皮がはがれると涙が多くなり、痛みやまぶしさのために目が開けられなくなることもあります。
<対処法>
アレルギーの原因となるダニを排除し、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を組み合わせて治療します。
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逆さまつげ(眼瞼内反・睫毛内反、睫毛乱生)

まつ毛が内に向かって生えていることにより角膜が傷ついて炎症を起こすため、目やにがひどくなることがあります。
子供の場合は成長によって改善されることも多いので経過観察で大丈夫なことがほとんどですが、角膜の傷がひどかったり好転しない場合には手術の必要もあります。
逆さ睫毛の診断を受けたことがある子供は、定期的に状態を確認してもらうために検診を受けた方がいいでしょう。
その他
目と鼻と耳はつながっています。
そのため、鼻や耳の病気があるときにも目やには出やすくなります。
例えば、風邪で鼻水が出ている時にも目やには増えます。
中耳炎などで耳管がつまると、鼻涙管がつまると涙が流れにくくなり細菌感染のために結膜炎を起こしやすくなります。
目やにの状態や、他に熱や鼻水などの症状があるかどうかをよく観察して、病院を受診するようにしましょう。
目やにの原因がはっきりしないまま自己判断で市販の目薬などを使うのは良いことではありません。
子供のめやに、まとめ
目の炎症を放っておくと、掻いたりこすったりして角膜に傷がつき、視力の低下にもつながってしまいます。
子供の目やにが増えたからといってすぐに病気と結びつけることはありませんが、普段と違う状態が続くようであれば目の病気を疑ってみることも必要かもしれません。
いつもと少し違う目やにには、細菌やウイルスがいる場合があります。
清潔なティッシュペーパー、ガーゼ、綿棒などを使ってやさしく拭き取り、拭き取った後は手を石けんで洗って清潔を保ちましょう。
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