てんかんとは、突然に意識がなくなったり、異常な行動をとったり、筋肉が硬直(けいれん)するなどの「発作」を繰り返す病気です。
小児てんかんは1歳までの発病が最も多く、そのほとんどは大脳がキズつくことによって起こる症候性てんかんです。
てんかんとはどのような病気なのか、原因や症状はなどといったことから、治療法などについてもまとめてみました。
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小児てんかんとは
小児てんかんについて説明します。
てんかんは、大脳の神経細胞が無秩序に過剰に興奮することによって起こります。
この発作は時や場所を選ばず、突然起こるのが特徴です。
発作は一瞬のこともあれば、数分のこともあり、また突然始まっていつの間にか元に戻るというものです。
てんかんは実に様々な種類や症状があり、経過が良く成長に伴って治っていくてんかんや、難治になると予測されるてんかんなどさまざまです。
数年という長期にわたっての経過観察・治療が必要なため、てんかん発作を抑制することに加えて、日常生活や学校生活を健やかに送れるようなコントロールや心理的な支援も必要になってきます。
ですが、発作そのものが致命的になることは滅多にありません。
小児てんかんの症状
乳幼児~子供によくあるてんかんの症状です。
・新生児によくある発作の特徴
新生児に多い発作の例はけいれんです。
出生時の体重が通常よりも軽い子供に起こる頻度が高いといわれています。
乳幼児は発熱するとけいれんを起こす子供も多いですが、発熱がきっかけとなって起こる熱性けいれんや泣き入りひきつけはてんかんではないので区別します。
新生児の多くの発作は未分類てんかん発作に分類されています。
・子供によくある発作の特徴
1.良性小児てんかん
寝入りばなや寝起きに、顔(特に唇)がピクピクしたりしびれたりしたあと、場合によって全身けいれんが起こることもありますが、通常2~3分で自然に収まります。
7~10歳頃に始まり、15~18歳頃に自然に治ります。
発作が短時間であり頻度も少なく、一定の年齢が来ると自然に治るものなのでそれほど心配する必要はないとされています。
2.小児欠神てんかん
突然、それまで行なっていた動作を中断し、呼び掛けに反応しなくなり数秒~30秒固まったような状態になります。
発作は突然終わり、再び何事もなかったように直前の動作を再開します。
4~10歳頃、特に女児に多いことが特徴です。
適切な治療を行えば、数年で治癒するといわれています。
3.若年ミオクロニーてんかん
12~18歳頃に始まり、ミオクロニー発作と強直間代発作が特徴で欠神発作を伴うこともあります。
ミオクロニー発作とは筋肉がビクンと収縮する発作で、てんかん発作であることに気づかれにくく、強直間代発作を起こして初めててんかんだと気付かれることも少なくないといいます。
強直間代発作は、全身をガクガクさせたり全身を硬直させる発作です。
意識は無く、白目をむいたり、一点をみつめたり、口から泡を吹いたりします。
小児てんかんの原因と種類
てんかんには、大脳がキズつくことによって起こる症候性てんかんと、遺伝的なけいれんしやすさが関連すると考えられている特発性てんかんがあります。
また、生れつきの脳の奇形や先天性代謝異常などでも発病する可能性があり、これらの多くが3歳くらいまでにてんかんを引き起こすといわれています。
てんかんは、病因(特発性、症候性)と発作型(全般性てんかん発作、部分てんかん発作)によって4つに分けられますが、小児てんかんは「症候性全般てんかん」が非常に多く、その他に「特発性全般てんかん」や「特発性部分てんかん」がみられるという傾向があります。
診断は発作の様子や脳波、MRIや血液検査などを総合して行われます。
小児てんかんの治療
小児てんかんの治療についてです。
てんかんは非常に種類が多く症状も複雑なので一概には言えませんが、小児てんかんは比較的治る可能性の高い病気だと言われています。
もちろん特別な治療が不要なケースもありますが、多くの場合は早期発見と抗てんかん薬の服用など適切な治療によって発作を起こさずに生活を送ることができます。
もしも発作が起こってしまったら、慌ててしまうかもしれませんがまずは自分が落ち着きましょう。
そして過度に騒ぎ立てないようにしましょう。
発作が収まったら病院を受診し、次のことをお医者さんに伝えてください。
- 発作の始まり方
- 発作の起こった部位
- 発作の経過
- 発作の終わり方
- 発作の様子
- 発作の直前にしていたこと
これらがてんかんの種類を特定する材料になります。
もし何度も発作を繰り返しているようであれば、発作時の様子を録画して診察の時に参考にしてもらうという方法もあります。
てんかん発作が起こった時の対処法
てんかん発作が起こった時の対処法です。
対処が必要なのは、全身をガクガクさせる強直間代発作でけいれんが激しい場合です。
子供がてんかんの発作をおこしたら、落ち着いて次のことを実行しましょう。
・本人がケガをしないように気を配る
・衣服の襟元やベルトを緩める
・メガネ、コンタクトレンズ、ヘアピンなどに注意する
けいれん中は窒素や舌を噛むことを防ぐため、下あごに手をあてて、上方にしっかり押し上げ気道を確保してください。
けいれんが終わり、大きく息を吐いたら、呼吸が戻るまであごを押し上げたまま顔を片側に向けて意識が回復するのを待ちます。
発作時してはいけないこと
昔よく行われていた対処法で、舌をかまないようにこぶしを入れるとか口にものをくわえさせるという方法がありますが、絶対にしないでください。
口の中を傷つけたり窒息してしまう恐れがあります。
また、患者の身体を揺すったりたたいたり、抱きしめたりもしてはいけません。
大声をかけて自分がパニックになってもいけません。
数秒から数分で収まるので、まずは自分が冷静になって患者の安全を確保することに集中しましょう。
緊急を要する発作
多くの場合は発作が起こっても直ちに救急車を呼ぶなどの対応は必要ありませんが、次のような発作がみられたら直ちに医療措置が必要です。
・発作と発作の間に意識が回復していない状態のまま繰り返す
・1回の発作が長く続き止まらない
・けいれん発作で激しいけいれんが止まらない
小児てんかんの子供への対応
小児てんかんを持つ子供のママに知っておいてもらいたい子供への対応です。
小児てんかんの子供の子育ては、てんかん発作に備えた身の安全の確保や対処が必要なだけで、そのほかは普通の子供に接するのと変わりません。
てんかんにとらわれ過ぎず、子供の成長に目を向けてあげてください。
長期にわたる治療は子供にもママにも大変ですが、一緒に支えあって歩んでいくことが大切です。
ただ、幼稚園・保育園、小学校、中学校と環境の変化や生活リズムが変わるときは特に気を付けてあげてください。
精神的緊張、意識の変化、睡眠不足、発熱などは、発作が起こりやすくなる要因だとされています。
担任の先生や養護教諭などと連携し、発作が起こった時の対応などについて話し合っておくことも大切ですね。
子供のてんかん まとめ
初めててんかん発作を目の当たりにしたときは、誰でも驚いてパニックになってしまうと思います。
ですがてんかんは、適切な治療を継続すれば、ある程度普通に日常生活を送ることができ、小児てんかんの場合は治癒が見込める病気です。
このような知識をもっておくだけでも、いざという時に役に立つのではないでしょうか。
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