ファミリーサポートという制度、知っていますか。
自治体による子育て支援制度で、活用すればシングルマザーの皆さんの心強い味方となるとても便利なサービスです。
ここではファミリーサポートとはどういう制度か、利用するには、など皆さんの「?」についてお答えします。
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ファミリーサポートって聞いたことありますか?
ファミリーサポートとは、乳幼児や小学生等の子供を持つパパやママのための制度で、市区町村ごとに実施されています。
ファミサポとも略されることもあるこの制度が、具体的にどのような仕組みになっているのか解説します。
ファミリーサポートは、市区町村の会員制相互援助サービスです。
援助を依頼する会員と、援助を提供する会員との相互援助活動を、自治体が連絡・調整係となって支える仕組みです。
実際にどのようなことを頼めるかというと、
- 保育施設までの送迎を行う。
- 保育施設の開始前や終了後又は学校の放課後、子どもを預かる。
- 保護者の病気や急用等の場合に子どもを預かる。
- 冠婚葬祭や他の子どもの学校行事の際、子どもを預かる。
- 買い物等外出の際、子どもを預かる。
- 病児・病後児の預かり、早朝・夜間等の緊急預かり対応。
保育所の場合には、預入事由が労働や病気などに限定されるのに対し、ファミリーサポートの場合事由の如何は問われません。
だから、2時間だけ美容院に行きたい!という時や、会社の忘年会で少し遅くなる、なんていう時に利用できるので、とても便利です。
利用の仕方は?
お住いの市区町村ごとに詳細は異なりますが、利用までの流れは大体同じですので、私の住む市を参考に説明しますね。
援助を依頼する会員(子供を預ける側)となれるのは、市内在住または在勤で小学校6年生までの子供を持つ方。
援助を提供する会員(子供を預かる側)は、市内在住で子育て支援に理解と熱意があり、安全に子どもを預かることができる健康な成人の方、という条件があります。
どちらの場合も最初は入会説明会に出席し、そこで登録を行います。
預かる側の提供会員は、さらに講習会を受講する必要があります。
登録が完了したら利用可能となり、依頼会員はお願いしたい日程をファミリーサポートセンターのアドバイザーに連絡します。
アドバイザーは適切な提供会員をピックアップし、依頼会員に紹介します。
提供会員と依頼会員で事前打ち合わせを行い、当日サービスを受けます。
気になる料金ですが、月~土の朝7時~夜7時までは1時間当たりなんと800円です!
某大手ベビーシッターサービス会社の料金が1時間2000円~なのと比較すると、格安で利用することができるのです。
ファミリーサポートのメリットとデメリット
ファミリーサポートのメリットとデメリットについてです。
メリット
- 格安で利用できる
自治体の事業なので、ボランティアという感覚で参加されている提供会員さんたちの善意で成り立っているサービスです。
そのため、謝礼程度の報酬で利用することができるのです。
- 自治体による登録制なので身元がしっかりしている
依頼会員も提供会員も、顔写真添付で登録します。
提供会員は、ボランティア経験の有無や保有資格(保育士、看護師等)などの情報を記入し、援助できる活動内容を申告します。
デメリット
- シッター(会員)を選ぶことができない
コーディネートはすべてファミリーサポートのアドバイザーが行うため、自分で選ぶことはできません。
人と人とのことですから、やはり合う人合わない人というのはどうしても出てきてしまいます。
事前の打ち合わせはなるべく子供を含めた面談を行うのが良いと思います。
子供が最優先なので、「うちの子と合わないな」と感じたら、アドバイザーを通して変更してもらえないか相談してみましょう。
- 全員が資格保有者ではない
例えば病気の子供を預かってほしいとき、預かってくれるのが保育士資格や看護師資格を持った人とは限りません。
一般家庭の、普通のお母さんという場合がほどんどです。
過度な期待はトラブルのもと。
自治体の支援事業であること、格安で利用していることを考慮して、提供会員に頼りすぎず、あくまで自己責任だという自覚をもって利用しましょう。
知っておきたい過去の事故
2010年に起こった、大阪八尾市の乳児うつぶせ寝による死亡事故、覚えていますか?
ファミリーサポートでの託児中に起こった痛ましい事故の概要です。
2010年11月、大阪八尾市のファミリーサポート事業で、提供会員宅に預けられていた当時生後5カ月の赤ちゃんがうつぶせ寝による心肺停止の状態で発見されました。
提供会員は、泣き出した赤ちゃんをうつぶせにし、そのまま放置していたということです。
八尾市のファミサポ事業は国の制度を活用して、市から社会福祉協議会への委託によって運営されています。
事故後、市と社会福祉協議会との話し合いの中を行うも、提供会員の話は時間とともに次々と変化し、ついには話し合いの当日に欠席、途中から弁護士を代理人に立てて話し合いにすら出てこなくなったということです。
驚くことに年度が替わった翌年の4月には、ファミサポの会則がいきなり変更になり「問題発生時は個人で解決すること」という記述が新たに追加されたというのです。
この提供会員は業務上過失致死容疑で書類送検されました。
この事件は、子供を預ける経験をしたことのあるママなら決して忘れてはならない事件です。
平成26年度、ファミリーサポートでの事故報告は「転倒」が最も多く事故全体の34.5%、続いて「接触」11.3%、「自動車利用」10.5%となっています。(平成27年 一般財団法人 女性労働協会調査)
自分の子供を最終的に守れるのは、親だけです。
手軽に利用できる反面、注意すべきこともたくさんあるファミリーサポートですが、メリット・デメリットをしっかり理解して、賢く利用しましょう。
提供会員にはこんな講習が行われているのです
子供を預かる提供会員が義務付けられている講習会では、こんな内容を勉強します。
保育の心、心の発達と病気、身体の発育と病気、小児看護の基礎知識、安全・事故、子どもの世話、子どもの遊び、子どもの栄養と食生活、保育サービスを提供するために、など(自治体によって実施の有無、内容が多少変わります)。
ただ、厚生労働省の通知で提示された講習カリキュラムの項目・時間数を実際に実施したかのアンケート調査では、「実施した」が全体の22.4%、「今後実施予定」「検討中」は46%という結果でした。
(全国703か所対象 平成27年 一般財団法人 女性労働協会調査)
アンケート結果では、まだまだ実施状況は十分でないものの、子供を預かる上での最低限の知識のようなものは一応勉強するようだということがわかります。
提供会員に登録されているのは、育児がひと段落ついたベテランお母さんも多いですが、いくら自信があっても我流の子育てがすべての子供に通用するわけではないですものね。
このような講習会で、一定の基準みたいなものを統一してくれれば、預ける側としても安心につながりますね。
まとめ
ファミリーサポートについて、少しは理解できましたか?
趣旨や内容を理解したうえで利用すれば、とても便利なサービスです。
一方で、預かる側がプロではないことのリスクなども十分考慮し、子供があまりに具合の悪いときには預けない、月齢の低い乳児期の利用はできるだけ短時間にする、など自分で安心するためのルールを決めて利用するなどの工夫も大切です。
お住いの市区町村のホームページまたは、厚生労働省のホームページから、あなたの利用できるファミリーサポートセンターを検索することができます。
登録は無料なので、今後利用する可能性のある方や興味のある方は、調べてみるといいかもしれませんね。
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