インフルエンザ予防接種は効果ないって本当?正しい知識で子供を守ろう

インフルエンザの予防接種

毎年11月になると、厚生労働省がその年のインフルエンザの総合対策について発表します。

そして医療機関でも、予防接種の予約受付が順次開始されていきます。

ところが近年、「インフルエンザの予防接種は効果がない」という噂を耳にしたことありませんか?

予防接種は本当に効果がないのか、子供をインフルエンザから守るにはどうしたらよいかを検証していきましょう。

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インフルエンザを正しく理解しよう

子供のインフルエンザについて、その症状などをあらためてきちんと理解しましょう。

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。

インフルエンザウイルスは、呼吸とともに鼻やのどから体内に入り込み、気道の粘膜に吸着して細胞内に侵入します。

 

感染したウイルスは、のどや気管支、肺で急激に増殖を続け、感染2日後に増殖がピークに達した後、徐々に減少していきます。

通常1~3日の潜伏期間のあと発症し、症状は3~7日続くと言われています。

早期発見・早期治療で適切な処置を行えば大半の場合は治癒に向かいますが、まれに気管支炎や肺炎を併発する場合もあり、ひどいと脳炎や心不全を引き起こすこともあります。

 

インフルエンザの種類

インフルエンザにはA型、B型、C型の3種類があります。

  • A型…症状が重篤になる傾向があり、死に至ることもあります。また感染力が強いため、大流行を起こしやすいのが特徴です。
  • B型…A型よりも症状が比較的軽く、限られた地域で流行するケースが見られます。A型の特徴である発熱は見られないことも多く、平熱~微熱を示す代わりに下痢や嘔吐など消化器系の症状がみられることが特徴です。
  • C型…鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多いウイルスで、気づかないまま完治する場合も多いです。

 

子供のインフルエンザの特徴

子供のインフルエンザの特徴は次の通りです。

  • 呼吸が速い、息苦しそうにしている
  • 顔色が悪い(土気色、青白いなど)
  • 嘔吐や下痢がつづいている
  • 落着きがない、遊ばない、反応が鈍い
  • 症状が長引いていて悪化してきた

 

幼児には中耳炎、発疹、熱性けいれん等の合併症が多く認められ、児童では悪寒、筋肉痛、関節痛が認められる傾向があります。

また乳幼児では発熱とともにぐったりして元気がなくなり、二峰性の発熱を示すことが多いようです。

 

最初は風邪のような症状ですが、インフルエンザの場合、時間がたつにつれてどんどんひどくなっていきます。

38度以上の高熱や全身倦怠感、悪寒を訴えた場合は、インフルエンザの可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

インフルエンザ脳症について知っておこう

インフルエンザにかかった幼児(主に1~5才)に、けいれん、意識障害、異常行動などの急速に進行する神経症状がみられ、さらに、血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなり、その結果、命に関わる重篤な疾患をインフルエンザ脳炎・脳症といいます。

脳内に直接ウイルスが浸潤して、炎症を起こす場合を脳炎といい、脳内にウイルスが検出されず、過剰な免疫反応が見られる場合には脳症と診断されているという違いがあり、脳症の方がより重篤です。

 

脳症が起きるときには、インフルエンザの初期症状の出現から意識障害に至るまでの期間が1~2日と非常に短く、嘔吐、けいれんが認められます。

ただこの年齢の幼児は熱性けいれんを起こしやすく、けいれんを起こしたからと言ってすべてが脳症というわけではありません。

ワクチンは毎年接種を続ければ、だんだん免疫も高まりやすくなりますので、脳症を未然に防ぐためにもやはり、乳児期からでも積極的に接種することは無意味ではないと思います。

脳症の発症が、1~5才頃に多いことを考えると、生後6ヶ月頃からの接種がよいかもしれませんね。

 

また、インフルエンザに罹ったときに、解熱剤(特にアスピリン系)を服用した小児が、急性脳症や、肝臓の脂肪浸潤を引き起こして、命にかかわる重症な病気になる事があります。

インフルエンザ脳症においても解熱剤は重症化させる場合があるため、なるべく解熱剤の使用は避けた方がよいと考えられますので、インフルエンザかな?と思ったら早めの検査、処置を心がけてください。

※インフルエンザウイルスが急激に増殖するのは発症後12~24時間なので、その頃合いをみて受診しましょう。

早すぎても正しい検査結果が得られず、また48時間経過してしまうと抗インフルエンザ薬の効果が低下してしまいます。

インフルエンザ予防接種の効果

一般に、インフルエンザ予防には予防注射が効果的である、といわれています。

一方で、特定のお医者さんや情報サイトでは「予防接種をしても意味がない」などと主張しているものが見受けられます。

一体、何を信じたらよいの?というあなたのために、予防接種について詳しく解説します。

 

まず、予防接種というのは特定の感染症を予防するために、少量の無毒化されたウイルスを体内に注射し、そのウイルスに対する抗体をつくって免疫力を高めるというしくみです。

インフルエンザワクチンは、シーズンごとに流行する型を予測し、ワクチンをつくるウイルスを選定します。

同じ型であってもウイルスは細かく変異を続けているため、ぴたりと当てはまる型のウイルスを事前につくり出すことはとても困難です。

そのため予防接種をしたのに感染してしまった、という事態が起こってしまうのです。

 

また、ワクチン株と流行株が一致したときの有効性は健康成人で70~90%といわれています。

型別にみるとA型の有効性は80%前後で、B型は一般的にA型より低く50%前後と報告されています。

一方、1歳以上6歳未満の発病阻止効果は約30%前後とされており、こういったデータが「予防接種は効果なし」という情報の根源になっているのかもしれません。

 

そういえば私も、昨年と一昨年、予防接種をしたにもかかわらず、しっかりインフルエンザもらってしまいました(泣)

でも、2日ほどで解熱したし、軽症で済んだと言えばそうかもしれません。

厚生労働省も、「ワクチンの最も大きな効果は、重症化を予防する効果です」と明言しています。

 

インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。

このことから、毎年流行の季節になると、インフルエンザの予防接種が推奨されるのだと考えられます。

予防接種と、あとで紹介しますが生活習慣に組み込んだ予防法とを合わせて行えば、インフルエンザに感染する確率もぐっと低くなるのではないでしょうか。

子供は2回!インフルエンザ予防接種の回数と費用

  • 回数

13歳未満は2回接種、13歳以上は1回~2回接種となります。

1回目と2回目の間隔は、13歳未満は2~4週間、13歳以上は1~4週間とされていますが、どちらも3週間以上開けた方がより有効な予防効果が得られるということです。

 

インフルエンザの予防効果は、2回接種の方は2回目終了後、約2週間で得ることができ、予防効果の持続期間は個人差にもよりますが約5ヶ月維持されます。

このことから、1回目を10月下旬から11月初旬に、2回目を11月下旬から12月初旬に接種すれば、大流行する12月中旬までにインフルエンザ予防効果を得ることができ、その効果は5月初旬まで維持できますよ。

 

  • 費用

インフルエンザの予防接種にかかる費用は、保険のきかない自費診療となるため医療機関によってまちまちです。

2015年から2016年シーズンの全国平均は、3024円でした。

地域差等もあるようですが、私(関東在住)の近所だと、Aクリニックでは1500円、B医院では2000円でした。

子供の2回接種の場合は、2回目は1回目より安くなるというところが多いです。

 

卵アレルギーの子供は注意!

インフルエンザワクチンは鶏卵を用いて製造しています。

予防接種の際の問診票に必ず卵アレルギーの有無についての質問がありますので、接種を検討している場合にはかかりつけ医とよく相談しましょう。

 

健康状態・体質を勘案し、診察及び接種できるかどうか(皮内テスト、インフルエンザにかかった場合のリスクとワクチン接種に伴う副反応とのバランスの考慮)を慎重に考慮し、最終的に医師が判断します。

少しでも不安なら予防接種ではなく、免疫力を高めるなど別の予防方法で対策しましょうね!

インフルエンザ予防接種の副作用

インフルエンザの予防接種の副作用(以下、副反応といいます)とは、どんな症状なのでしょうか。

ここでは「季節型インフルエンザワクチン」と「新型インフルエンザワクチン」に分けて解説していきます。

 

季節型インフルエンザワクチン

比較的頻度が高い副反応としては、接種した部位(局所)の発赤(赤み)・腫脹(腫れ)、疼痛(痛み)などがあげられます。

これらは接種を受けた人の10~20%に起こりますが、通常2~3日で消失します。

また、全身に起こりうる反応としては、発熱、頭痛、悪寒(寒気)、倦怠感(だるさ)などが見られます。

全身に何らかの反応が出るのは全体の5~10%にみられますが、こちらも通常2~3日で消失します。

 

数は少ないですが、まれに非常に重い副反応(ギランバレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、紫斑など)の報告がありますが、ワクチン接種との因果関係は必ずしも明らかではないと、厚生労働省のホームページには明記されています。

また、ワクチンに対するアレルギー反応として、発疹・じんましん・発赤(赤み)・掻痒感(かゆみ)が見られることがあります。

 

新型インフルエンザワクチン

厚生労働省の報告(平成22年1月)によれば、新型インフルエンザワクチンも季節性インフルエンザワクチンとほぼ同程度の副反応が報告されているということです。

また、輸入ワクチンについては、疼痛などの局所反応が国内産に比べて高い傾向がみられるといわれています。

そのため、妊婦さんや妊娠の可能性のある女性は、国内産のワクチン接種が望ましいようです。

また、子どもや基礎疾患のある人も同様に国内産の接種が望ましいとされていますが、輸入ワクチンを検討する場合にはお医者さんとよく相談して判断してください。

 

私も数年前に接種した時、腕がパンパンに腫れてしまったことがあります。

心配になり、翌日同じお医者さんに相談に行ったら、湯船につかるのは腫れが引くまで控えてくださいと言われ、その通りにしていたら、その2日後くらいには良くなりました。

症状やもともとの体力によっても対処が変わってくると思うので、もしも「おかしいな?」と思ったらすぐにお医者さんに相談しましょう。

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インフルエンザウイルスを寄せ付けない生活習慣

インフルエンザ予防に効果的な生活習慣を身に着けて、ウイルスを寄せ付けない体を作りましょう。

 

手洗い・うがい

外出先から帰ったら、手洗いうがいを丁寧にしましょう。

殺菌石鹸で指と指の間、爪の隙間、手首までしっかり洗い、うがいはうがい薬などを使ってきちんと洗浄しましょう。

消毒用アルコールも併せて使うと効果的です。

子供だけでなく、親子で声を掛け合ってみんなの習慣にしましょうね。

 

マスクの着用

インフルエンザウイルスを吸い込まない、また自分の咳で迷惑をかけない(=咳エチケットといいます)ために、この時期はマスクの着用が欠かせません。

鼻から顎下まですっぽり覆うようにしっかりガードしましょう。

 

人の多い場所には出掛けない

インフルエンザはくしゃみ・咳などによる飛沫感染です。

インフルエンザが流行し始めたら、感染リスクを下げるため人の多い場所を避けたり、不要な外出をしないなど、感染の機会を作らないようにしましょう。

 

加湿と水分補給

空気が乾燥すると、インフルエンザにかかりやすくなります。

こまめに水分補給することで鼻や喉の粘膜を常に潤した状態にしておきましょう。

また、加湿器で部屋の湿度を保つことも大切です。

寝る時は特に乾燥しやすいので、濡れたバスタオルなどを部屋に干しておくだけでも多少の保湿効果が得られます。

 

睡眠・栄養

十分な睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけることが、免疫力を高め強い体を作ります。

普段から好き嫌いなく、何でも食べさせる習慣をつけておくようにしましょうね。

 

部屋の換気をしよう

空気中に漂うウイルスを外へ放出するために、朝起きたらまず窓を開け、その後も1時間に1度は換気しましょう。

もしインフルエンザにかかってしまったら

それでもインフルエンザにかかってしまったらどうしたらいでしょうか。

発熱後、12~24時間の間に病院で検査を受けましょう。

症状を伝えれば先生の方から検査してくれるとは思いますが、必ずインフルエンザの検査を希望する旨を伝えてください。

そして処方された薬を指示通り服用し、安静にします。

一にも二にも、体を休めることが回復への近道です。

 

発熱している間は栄養と水分を摂って寝ていれば、普段から丈夫な子であれば、高熱は2~3日で落ち着き、その後は元気になりすぎて困ってしまうくらいです。

子供の看病で、ママも共倒れにならないように、マスクや消毒など予防はしっかりしてくださいね!

登園・登校はいつから?

インフルエンザは学校保健安全法で「第二種感染症」に分類される感染症で、出席停止期間が定められています。

保育園や幼稚園、学校へはいつから行けるのか、確認してください。

幼稚園・保育園

  • 解熱後3日が経過していること、かつ発症後5日が経過していること

日数の数え方は、発熱が始まったその日は含まず、翌日から発症第1日目と数えます。

※発症とは、発熱の症状が現れたときのこと

学校(小・中・高)

  • 解熱後2日が経過していること、かつ発症後5日が経過していること

インフルエンザと診断されれば、これによってお休みした期間は欠席にはなりません。

そのため、皆勤賞などは、これ以外に休みがなければ対象となります。

出席停止の期間は、病状の回復と集団感染を予防するための措置です。

回復の早い子供だと、解熱後すぐに元気を取り戻して外に出たがったりして大変ですが、ここはママがしっかりと「まだあなたの体にはばい菌さんが残っていて、お外に出るとみんなに伝染してしまうの。だからあと○日はお家にいようね」と子供に言い聞かせて、お家で過ごすようにしましょうね。

まとめ

子供のインフルエンザ、毎年大丈夫かなぁとヒヤヒヤしますが、正しい予防法や対処法さえしっかり押さえておけば、どーんと心構えができますね。

子供だけでなく、ママもインフルエンザにかからないように、日頃からの生活習慣を見直し、必要であれば予防接種も視野に入れて今年もこの季節を乗り切りましょう!

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